2021年6月28日(月)
暮らしを整える造作家具 その1
住まいの一部として作る造作家具は、私達の家づくりの特徴の一つです。
キッチン周りやデスクコーナー、本棚など、普段家族が過ごす居室の一部に、またウォークインクローゼットやパントリーなど収納の内部に、いずれも間取りを検討する時点から、建物と一緒に造作家具や造作棚をご提案し、大工の手で製作しています。
キッチン周りの施工例より。
多くご要望いただくレイアウトの一つ、手元を隠せる対面キッチンです。何かと散らかりがちな作業スペースをほどよい高さで隠しつつ、キッチンからリビングやダイニングが見渡せるレイアウト。
キッチン本体はメーカー製の機能的なI型のものを組み込み、キッチンを囲むように収納棚と腰壁を製作。キッチン背面のカップボードとその隣のデスクコーナーも併せて作っています。
造作棚は少し高さがあるのでキッチン・ダイニング・リビングがゆるやかに仕切られ、またリビング側の棚には日用品やおもちゃなど、細々したものもたっぷり収納できます。
こんな風にダイニングの脇に小さなニッチを設けたり、それぞれの住まいに応じて自由に工夫できるところも魅力です。
造作家具の扉は建具屋さんによる製作。同じレイアウトでも扉の仕様を変えると印象がまた変わってきます。
こちらはナラの扉。より木目が際立ち、木の風合いを感じます。
またこちらは横格子状の彫り込みがあるタモの扉で、意匠に少し主張があり、それがLDK全体のインテリアを落ち着いた雰囲気に見せています。
キッチンでは、本体そのものを製作することもあります。
腰壁を作らず、よりオープンにダイニングやリビングとつながるフラットな対面キッチン。
薄く仕上げたシャープな印象のステンレスカウンターに、コンロや水栓もすっきりとしたデザインのものを選びました。デザインにも使い勝手にもこだわった、見せるキッチンです。
フラット対面の中でもコンロとシンクが分かれている2列型のキッチン。
ステンレスと木だけでなく、キッチンのカウンター下にはモルタル調の面材、壁にはグリーンのタイルと、複数の素材や色を組み合わせることで楽しい空間に。
同じく2列型のキッチンではカウンターを木で製作した例も。
ダイニングテーブルを置かず、腰かけて食事もできるシンク側のカウンターに、床座でくつろぐ畳スペースが隣り合うLDKです。
キッチンの本体側だけでなくカップボードも普段から造作でご提案している部分です。
写真は一部にチェッカーガラスの食器棚を組み込んだカップボード。
さっと物が取り出せるオープン棚、下段でも使いやすい引出し、大きい物を収納できる開き扉と、棚の形も用途に合わせて様々に組み合わせ、収納力抜群のカップボードが出来ました。
引出しと開き戸でシンプルに構成した例。
面材の縦横のラインがきれいに揃ったカウンター収納に、丈の短い吊収納を合わせ、すっきりとした印象です。
扉で隠さないオープン棚を設けた例。
お気に入りの器や小物を飾って楽しみたい方にはこんな形もおすすめです。
間取や他の意匠と併せて検討することで、空間を無駄なく使うことができ、また室内の雰囲気にしっくり馴染む仕上がりとなる造作家具。
少し長くなってきましたので、キッチン以外の箇所についてはまたあらためてご紹介します!
/hasegawa