普段の施工事例のご紹介では空間全体の雰囲気がよく分かるような写真を優先するため、棚や扉など一つの物に接近した写真はあまり掲載していないのですが、完成した住まいにはいつも、空間全体で眺めると見逃してしまうような小さな工夫もたくさんあります。

今回はそんな楽しい工夫をいくつかご紹介したいと思います！

■小さなスペースも収納に

まずはこちら、洗面室の足下に、階段下の隙間を利用して設けた収納。

中は引き出しになっています。

洗面周りでは洗剤やハンドソープ、歯磨き粉のストックなど、隠して収納したいものが意外と細々出てくるので、こんなプラスアルファのスペースがあるととても重宝しそうです。

こちらも階段下のスペースを利用した収納。

高さが低い部分はお掃除ロボットの基地用です。下に隙間のある扉を付けて仕上げ、中に充電器を隠せるようにしました。

■ニッチを活用

壁の厚みを利用して作った小さなニッチ。玄関のニッチにはフックをつけて、鍵の定位置に。

ついいろいろなところに置いて、急いでいる時に限って出掛ける直前にどこにいったのかと慌ててしまう鍵…。玄関にこんなコーナーがあるといつも場所を決めておくことができてとっても便利です。

こちらはキッチン脇の腰壁に設けたニッチ。

さらに近づいてみると、カウンターの角はやわらかなＲの仕上げになっていて、こんなところに大工さんの気遣いを感じます。

テーブルの板とぶつからない高さに仕上げているところもポイントで、腰壁表面は羽目板、ニッチの中はコルクと仕上げ材も変えて、小さなコーナーにひと手間の工夫が詰まっています。

■ダイニングテーブルも

こちらのお住まいではダイニングテーブルも製作。

テーブルなど建物に固定されない置き家具は、家具・インテリア専門の造り手がたくさんおられ様々なデザインから選ぶこともまた楽しいため、普段製作を行いませんが、こちらはリクエストをいただき製作した少し珍しい例です！

■住まいと庭をつなぐ縁台

楽しい工夫は家の外側にも。

日当りのよいテラスに設けた縁台も住まいの寸法に合わせて製作したもの。こちらの住まいでは、ウッドデッキとして建物に固定はせず、使う位置に合わせて移動できる自由さを残しました。

テラスにプラスでこんなスペースがあると、お天気のよい日にはリビングの延長として腰掛けられて、暮らしが家の外へと広がります。

家づくりが進み実際に施工が進んでくると、図面上ではなかなか想像の付きにくかった部分が見えてきて、こんな風にできたら…という細かなアイディアも沸いてくるように思います。

構造などとの兼ね合いで変更や追加が難しい場合ももちろんあるのですが、現場担当者と大工が連携し、様々なリクエストにお応えしております。

/hasegawa