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住まいのいろいろ

2022年4月16日(土)

階段のいろいろ

家の間取りを想像する際まず思い浮かぶのは、リビングやダイニング、寝室、子供室といった居室のことではないでしょうか。

そんな中で「階段」というと一見脇役に思えるのですが、家の縦方向をつなぐためにはなくてはならず、さらに階段の形や配置は間取りの検討にも大きく関わってきます。

今回はそんな階段のバリエーションをご紹介しながら、配置による間取り上の特徴などをまとめてみたいと思います。

■廊下からアクセスする階段

玄関から廊下やホールを通って、階段へアクセスする間取り。

階段~廊下をLDKとは建具で仕切り、LDKを独立した空間とします。

<配置例イメージ>

【 特徴 】

・LDKが部屋として仕切られているため、短時間で普段生活するこの空間を冷暖房することができる。

・玄関から直接お客様を招く客間が欲しい、1階に寝室を配置したい、などの間取りのご要望と相性◎。

・玄関からLDKを通らず個室(子供室、書斎など)へ向かえるため、個室の独立性が高い。

■オープン階段・リビング階段

廊下を設けずLDK内にオープンな階段を設ける間取り。先ほどの廊下からアクセスする階段と比べると、近年になって増えてきた階段の形です。

<配置例イメージ>

【 特徴 】

・LDKが階段への通路の役割も兼ねており廊下を別で設けないため、スペースをより効率的に使い、視覚的にも広がりのある空間を作りやすい。

・階段周りを吹抜けとすることで広い吹抜けのある間取りを作りやすく、吹抜けを利用してエアコンの冷気・暖気を循環させる床下エアコンのような仕組みとも相性が良いと言える。

・個室へ向かう時にLDKを必ず通るため、家族間のコミュニケーションを図りやすい。

■中間的な配置の階段

LDKと階段の間に建具がなく空間的にはつながりつつも、階段全体がLDKから見えるわけではない、先の2つの中間的な配置です。

<配置例イメージ>

【 特徴 】

・階段前の空間が通路でありつつもLDKの一部でもあるため、廊下を別個に設けるよりもLDKの広さを確保しやすい。

・意匠等の面でオープン階段には少し抵抗があるけれど床下エアコン等で家全体の熱を循環させたい場合、LDK~階段がつながっているため階段部分も熱の循環の通り道として利用できる。

階段の配置や他の空間とのつながり方は今回ご紹介したものだけでなく、玄関→LDKを通りその先で廊下から階段へアクセスする配置、半分ほどがリビングから見えるオープン階段など様々に考えられ、他の間取り上のご要望との兼ね合いを検討しながらご提案を行っています。

また、オープン階段がよいか、廊下からアクセスする階段がよいか…と決める時には、暮らしの習慣や慣れといった人それぞれの感覚の部分も大きく関わっているように思います。

普段の生活ではあまり意識せず過ごしている「階段」も、家をつくる大切な要素の一つです!

/hasegawa