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2023年2月6日(月)

断熱性能等級の上位等級

厳しい寒さが続いていますが、そんな冬も暖かく過ごすために大切な住まいの断熱性能。

昨年、住宅性能表示制度が改正され、住宅の断熱性能等級に上位等級が新設されました。

すでにご存じの方も多いと思いますし、以前にもこちらで少し触れておりましたが、住宅の省エネについては複数の法律・制度が関わっているため分かりにくさがあるように思いましたので、今回はあらためて断熱性能等級についてまとめてみます。

■断熱性能等級とは

住宅性能表示制度は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づいて、住宅の性能を第三者機関が評価する制度です。その中の温熱環境を評価する指標の一つが「断熱性能等級」で、2021年から2022年にかけて改正され、従来は等級4までだったものに上位の等級5、6、7が新設されました。

(等級5:2021年12月公布・2022年4月施行 / 等級6・7:2022年3月公布・2022年10月施行)

断熱性能等級によるUA値(外皮平均熱貫流率)の一覧表は以下の通りです。

気候区分として、新潟市、長岡市や見附市などは「5地域」、小千谷市や魚沼市などは「4地域」に当たりますので、その部分を抜粋しています。

■断熱性能を評価する他の指標

改正前までは、住宅性能表示制度の中での一番高い断熱性能等級は4、その基準のUA値は0.87W/㎡K(5地域の場合)だったわけですが、この値をクリアしてさえいれば高断熱かというと実際はそうとは言いにくい状況にありました。

そんな中で高断熱住宅の計画の際に比較的広く用いられてきたのが、HEAT20の示す値です。HEAT20は研究者などによる組織で、G1~G2、近年にはG3として以下のUA値を示し、これが高断熱住宅の一つの指標となってきました。

■イエライフの断熱性能

私達が日ごろ標準的にご提案してきた住まいの断熱性能は、HEAT20G1~G2水準=UA値0.48~0.34W/㎡K以上。さらに近年家を建てる方の断熱への興味やご要望は益々高まっており、HEAT20 G2水準=UA値0.34W/㎡K以上での施工のケースも非常に多くなっています。

UA値0.34W/㎡K以上というと、4地域・5地域共に等級6に当たり、5地域の等級7=0.26W/㎡Kとなる事例やそれに迫る0.2台のUA値の施工例も増加しています。

今回の上位等級新設で、国の制度としても断熱性能の指標が追加されたことで、住宅の高断熱化は一層進んでいく流れとなり、これはとても良いことと言えると思います。

住まいの断熱性能はもちろん高いに越したことはありませんが、高めるためには断熱層の厚さを増し、より高断熱のサッシを使用するなど、やはり建築のコスト上昇という面も考えなければなりません。

昨今の急激な物価上昇も加わる中で、どこまでの性能を求め、住まいに何を優先させるのか、それぞれの住まい手の方にとって心地よく、バランスのとれた家づくりをこれまで以上に考えていく必要を感じています。

(参考)

国土交通省 品確法に関するページ

HEAT20

/hasegawa