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「前沢パッシブハウス」見学リポート

昨年11月に富山県黒部市に竣工した前沢パッシブハウスを先日見学してきました。
設計はパッシブハウスジャパンの代表理事を務める、キーアキテクツ代表の森みわ氏。
発注元はYKK不動産。窓の仕様はYKK/APW430トリプルサッシを軸に構成し、国産サッシとして日本初となるパッシブハウス認定を受けた建物だそうです。
閑静な住宅街の一画に位置し、看板こそないものの実質、YKKAP社の展示モデルハウスとなっています。s-1外観s-1室内

パッシブハウスとは建物の断熱気密性能を上げて、日射や通風を室内に取り込み、できるだけ少ない冷暖房エネルギーで快適に暮らすことのできる住まいを目指し、ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能基準を満たした世界基準の省エネ住宅をいう。
国内にはまだ10数棟しかなく、裏日本ではこの度、初めて認定を受けた建物だそうです。
冬場の日射が少ない北陸エリアでパッシブハウスの性能基準をクリアするには、南面の大開口と極度の断熱性能が要求されたようです。

見学日の外気は3℃前後の中、室内の温度計はリビングの床付近で23.4℃、天井付近で22.9℃と、床面から天井まで温度差がほとんどなく均一で、とても気持ちのよい暖かさであった。床の表面温度は水まわりの低いところで19℃程度であった。床下にある10畳用のエアコン1台で全室の暖房をまかなう設計を行っている。
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断熱仕様は、壁はネオマ80mm+セルロースファイバー200mm(東西)/240mm(北)がメインで、天井はセルロースファイバー300mmの極厚仕様。断熱はもちろんのこと、吸音性もすばらしい。仕様説明の最中、外は突然の荒れ模様でみぞれが落ちてきたが、室外の異変に気付かないほどの高い静音性が確認できた。
Q値は1.34(W/㎡K)、Ua値は0.229(W/㎡K)とのこと。単にQ値を追い求めるのではなく、南面に大開口部を設け、できるだけ日射取得を高めることにより、暖房負荷を下げることが設計上の重要なポイントとなっているようです。
パッシブハウスの断熱性能ともなると通常とは一線を画す仕様であるものの、日射取得などの基本的な考え方は同じで、似た気候である中越地方においても参考になる物件である。
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素材感を活かした内装仕上げは上品で、とても居心地の良い空間でした。床材は、玄関からキッチンまでタイル張り、リビングのタモ、2階へつづく杉のうずくり仕上げなど、素材ごとに足触りを楽しむことができる演出。スリッパは用意せず、真冬でもその気になれば素足で過ごすことができるだろう。施工のカネタ建設さんの仕事も見事で、細部まで行き届いた丁寧な仕上がりでした。
ひとつ、日射取得が良い設計だけに夏場の暑さが気になるところ。2階のエアコン1台で快適な温度が保てるかどうか興味深いところです。
今回このような機会を設けてくださった大庄様、YKKAP様、本当にありがとうございました。
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/naoki

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